幽霊レストラン「スカイレストニュー室戸」
2020/07/29
(Google ストリートビューよりキャプ)
高知県室戸岬には「スカイレストニュー室戸」という廃墟がある。
砲台のような屋根の突起が特徴で、室戸岬全域を見下ろし敵を監視しているような勇ましさを感じる建物だ。そのため初見では戦時中に本土を守っていた旧日本軍の要塞かと思っていた。
実はそんな予想に反してこの廃墟はかつてレストランや結婚式場、宴会場などが入居する複合施設として運営されていた。
廃業後は独創的な形状が多くの廃墟マニアを魅了し、県内で有数の名高い廃墟となったのだ。
しかし、他に類を見ないデザインが人気であったはずの廃墟も、近年では心霊スポットとしての側面も併せ持つものとなってしまった。
これは稲川淳二氏の映像作品の影響があるように思う。
「――これまでにない最恐の心霊スポット、死霊たちが集う廃レストランが実存する。」(映像のナレーションより)
作品名:稲川淳二・恐怖の現場 最終章 ~禁断の地 永久に、永遠に~
サブタイトル:戦慄…死霊たちが集う魔のランドマーク
出演: 稲川淳二、疋田紗也、奥山奈々
ざっくりとしたあらましはこうだ。
室戸岬は自殺者が多いらしくその死体が不思議とレストラン廃墟付近に流れ着くらしい。その要因を探りに稲川氏一同が廃墟に潜入し、そこで数々の心霊現象に遭遇してしまうというものだ。くれぐれも申し上げるがこれはエンタメ作品である。怪奇現象のオンパレード、心霊作品特有のホラーというよりはギャグ路線な感じだ。これ以上述べることは控える。
私が今回こちらの廃墟を探索したかった動機は、前述した稲川氏のロケ地を観光したかったわけではない。
ネットでは「女の霊がいる」などと噂され、私の友人からも「奇声をあげて走る女に追いかけられた」「もう二度と行きたくない」との話を伺った。
この女の件が気になりどうしても行ってみたかったのである。
内部へ
●建物外観
●入り口から既に天井板が無く朽ち果てており崩壊が進んでいる
●天井の落ちてきたトイレ
●廊下を進んでいく
●落書きが多い
●大砲のような突起のある3本の円柱部分、内側はすべて螺旋階段となっていた。気になっていた突起はどうやら換気口だそうだ
●カウンター
●カウンター内側
●1F宴会場跡、この廃墟で一番大きな部屋となる。過去にここで結婚披露宴も行われていたそうだ
●この建物は至る所天井を覆っていた壁材が崩れ落ち、隠れていた配管やコードがむき出しになっている
●2Fへ、景色は良く海を一望できる
●3本ある螺旋階段のうち従業員用の階段だけが地下室に通じている。DVDではタレントを一人放置して遠隔監視したりしていた。作中では吐き気に襲われたりしていたが、ゴミやネズミの糞が大量にあり霊と関係なしに空気は悪い
(撮影は全てiPhone)
探索者より
私自身は霊感など一切無いためか、奇声をあげる女に遭遇することはなかった。
この場所は建物倒壊という現実的な恐怖感があるため私自身は霊よりもこちらの方が心配だった。
また探索を終え外で休憩していた時に通り掛かった警官に職質されてしまった。
× × × × × ×
警察官「こんばんわ、何しにきたの?」
(中略)
警察官「ここ入ってないよね? あんまりこうゆう所入らないほうがいいよ」
私「何でですか?」
警察官「地元じゃ幽霊レストランとか言われてて噂が多いから、君らも気を付けてね。不審者もいたりするから」
警察官「――じゃあ気をつけて」
果たして警察官の言う不審者というのは、友人を襲った叫ぶ女のことだったのだろうか。
それにしても稲川氏の影響力はすごいものだ。氏が訪れた場所はすべて心霊スポットと化してしまうのだろう。
稲川淳二・恐怖の現場 最終章 ~禁断の地 永久に、永遠に~ VOL.2 (メディアネットピクチャーズ 2013.6.28)DVD
ワンダーJAPAN vol.09(三才ブックス 2015.12.22)
