【埼玉県狭山湖付近の地図にない場所がヤバい。行ってはいけない。】を検証

※今回は心霊スポット探訪ではなく、心霊スポット検証をコンセプトとした記事なので昼間の撮影です。(別府)

 2017年、夏。

 オカルトフリークが心を躍らせる事件があった。

 事の発端は一つの呟き。

 ぐち子氏のツイートだった。
guchiko_03※2017年10月現在リツイート数 68,000越え

 8月6日に呟かれた【警告】はたった一日で5万リツイートを超え
 オカルトクラスタのみならず、普段オカルトに興味ない層も巻き込んで場所の特定や推測に大騒ぎとなった。

 まとめ【埼玉県狭山湖付近の地図にない場所がヤバい。行ってはいけない。】
 https://togetter.com/li/1137374

 皆グーグルマップを駆使し、ぐち子氏のいう「異様な道」を探しはじめたが該当の道は発見できず、その戸惑いが騒乱に拍車をかけた。
 周辺に行ったことがある人間は「ここは鳥肌がたつ」、「この道は嫌い」と言い、
 住まいが件の場所に近い人間は「ここら辺マジでやばいから」と言う。
 ホームレスが村を作っているという意見まであった。

 私は不気味さを感じつつ、一つのことが不思議で仕方がなかった。
 この騒動に言及する人間に共通していることは、皆言葉を微妙に濁すのだ。
 何が怖いのか?
『何かに見られている』の正体は?
 周辺の雰囲気が異様とは?
 心霊なのか? 
 人なのか?
 人だとすればどういった人たちなのか?

 非常に漠然としている。
 これが心霊現象が起こるから怖い、なら当然理解できる。
 またガラが悪い人がいるから怖い、これも理解はできる。歌舞伎町や六本木が該当エリアか。現在の反社会性勢力が利害関係の無い一般人を攻撃するかは疑問であるが、イメージとしては理解できる。

 ぐち子氏のツイートでは「何とは言えないが本当にまずい」とある。
 だがさすがに反社会性勢力が村を占拠しているわけではあるまい(例え住んでいようが突然拉致されたりするわけではないが)たぶん面倒事になっても交渉の余地くらいはあるだろうと考え、行ってみようと思った。
 ぐち子氏は訪問を避けるよう推奨しているが、どうしても私は怖さの正体を見てみたかった。

狭山湖に行ってみた

 まず最初に、狭山湖周辺の地図を提示していたほうがわかりやすいだろう。
狭山湖全体地図

 こちらが私が辿ったルート・ぐち子氏のツイートエリアである。
狭山湖マップ筆者ルート

 西武球場前駅で降り、該当エリアに徒歩で向かう。
 電車に乗っていた時間は大して長くないが、まるで旅行に来たかのような錯覚に陥った。
 平日だったがピクニックをする大学生、ツーリングをするロードバイカーたちと度々すれ違う。

西武球場外観●改札を出るとすぐに西武球場。試合がない日だったので閑散としていた。

狭山湖周辺マップ画像●狭山湖周辺マップ

狭山湖展望●右岸から狭山湖をのぞむ。天気のいい日には湖面に映る富士山を見ることも出来るという。

自動販売機●狭山湖を囲む道路には定期的にジュースの自動販売機。
 ぐち子氏のツイートでは「赤いコカコーラの自販機」が「異常な道」の目印だという。

該当エリア入り口ラブホ●ぐち子氏のツイートにあった該当エリアに踏み込む。

こちらがぐち子氏のツイートを有志が上空図に印をつけたものである。
17100102

上記に私が撮影したスポットを追記した画像がこちら
sayamako_kakunin_spot

狭山湖沿いの未舗装路を歩き、二手に分かれた道を①の場所に向けて曲がる。

sayamako_01spot_01●ぶどう園が現れる。ぶどう園はこのあたりに多い。

sayamako_01spot_02●ツイートにあった赤線の果て、つまりゴール地点に見えた場所は柵がたっている。
 画像からはわからないが、柵の上には蜘蛛の巣がびっしりと張っていた。

柵●柵を乗り越えて奥へ。
 だが草に覆われて道は確認できず。

①の場所からぐるりとまわりこんで、②のスポットへ。

sayamako_02spot_01●行き止まり。左側はオシャレな和モダンな住居。その隣にはこれまたオシャレな会社がある。

sayamako_02spot_02●行き止まりの右側。オシャレなガーデニング。

 見落としがないよう一度スタート地点に戻り、狭山湖沿いの道に戻る。
 地蔵がある丁字路を右にまがり、③のスポットへ。

丁字路●地蔵がある丁字路

廃墟●廃墟と思わしき建物

sayamako_03spot_03●③の道に入るとすぐに『行き止まり』の看板

sayamako_03spot_04●先に進むと一本道。

sayamako_03spot_05●左側に道はない。

sayamako_03spot_06●行き止まりの先は竹やぶ。無理をすれば行けそうだが……。
 竹やぶ手前にお住まいの方が、すぐ近くで野良仕事をされている。
「この先ってどうなってますか?」
 と尋ねると「ここから先は行き止まりだよ」と教えてもらったので、撤退。

 結論としてはぐち子氏の言う「異常な道」は見つからなかった。

 
 だがなにか見落としや、勘違いがないかと思い狭山湖沿いの道に戻り、さらに進んでみる。
 しばらく進んでいると、最初に掲載した【埼玉県狭山湖付近の地図にない場所がヤバい。行ってはいけない。】にまとめられていた、異様な画像の場所を発見した。

ツイート●この画像から『狭山湖周辺にはホームレスが住んでいる』という一つの推測がたったと思われる。

 だが画像の位置から少し離れると、また別のものだったとわかる。
sayamako_okumakougyou_all●近づいてみると、左の会社の資材置き場のように見えた。
 また狂気さえ感じさせる警告『近づかないで』は『犬に近づかないで』と犬への注意書きだった。

 ただこれはちょっと怖かった。
sayamako_okumakougyou02●怖いって。

検証

 上記の通り、私はぐち子氏の言う「異常な道」は見つけられなかった。

 さてそこで、まとめにあった噂について調べてみたいと思う。

検証・1
狭山事件→ここで言及されている狭山事件、興味があれば詳細は検索して下さい。
 ざっくり説明すると殺人事件だが、警察に逮捕された容疑者が被差別部落出身だったことから、有罪説・冤罪説・差別問題がカオスに入り混じり、関係者の相次ぐ変死も含め、複雑な事件で有名である。 ※逮捕された方は1994年に仮釈放されています。
 ただ現場が狭山湖から10キロ以上離れているので、当たり前だが狭山湖周辺は無関係だと思われる。

検証・2
多摩湖→行人塚自体は格別珍しいというわけではないが、上記の話は多摩湖にまつわる話である。
 下の画像からわかるように、狭山湖からは離れている。

sayamako_kensyou_02●場所の比較

検証・3
まとめにはなかったが、一つ気になるものはあった。
※ここまで私は歩かなかったのでグーグルマップから画像を抽出
sayamako_kensyou_03●「トトロのふるさと基金は余計な事をするな!」と言葉が書かれている。
 トトロという、平和の象徴ともいえる単語とあいまったせいか、なにか狂気じみて見えた。
 ただこれは調べてみると、私有財産である土地を「墓地建設」で活用したい住人らと、あの宮崎駿氏が顧問を務める『公益財団法人 トトロのふるさと基金』との諍いのようだった。
参考リンク:https://www.j-cast.com/tv/2015/09/08244620.html

検証・4

 検証を続けていると、できれば避けたい問題に直面する。

 ただそれではやはり片手落ちだろう。

 以下はあくまでも私の推測である。また、あらゆる差別意図は含んでいない。

 ツイートや各ブログメディアを見ていると数多くある「推測」の一つにこの付近が「被差別部落だ」というものがあった。

 いや多くの発言から、はっきり言って、私は「ここは被差別部落であり、非常にデンジャラスな場所」というニュアンスを受け取った。

 だからこそ、この騒動に関して皆言葉を濁すのだろう。

 もし不用意に言及し、被差別部落関連の団体から猛烈な抗議を受けたら……そんな恐れが言葉を濁らせる。

 言葉を選ばずに言うと、宗教/ヤクザ/在日/部落はオカルト界隈では怖い話の定番な雛形である。

 実態がわからないものに関して恐怖を抱きやすいからだ。

 ゆえに皆このスポットに被差別部落との関連を推測し、得たいの知れない恐怖を感じているのではないか。

 だが私はこのエリアが被差別部落だとは思えない。
 というか調べれば案外すぐにわかる。調べれば根拠が限りなく薄いとわかる。

 ましてや被差別部落のエリアだから狂気に溢れている、なんてイメージは流石に如何なものだろうか。

 そんな怖いものではないということは、鳥取ループ氏が今も元気にツイートされてらっしゃることである意味証明される。
 ※注『鳥取ループ』全国の被差別部落を調査し、インターネットに公開している稀有なジャーナリスト。

探索者より

 さて今回は検証のスタンスで挑んだが、私自身、狭山湖を訪れてどうだったか。

 確かにぐち子氏のいわんとすることもわかる気はした。

 きっとこういうことなのだろう。

 映画『悪魔のいけにえ』の怖さの根幹をなす舞台『人里離れたエリア』からもわかるように、

 人は旅をしていると錯覚するような遠く離れた、人が多くない場所にくると、自然と本能が警戒態勢になるのではないだろうか。

 ゆえに必要以上に恐怖感を抱いてしまう。

 ただ自分ではそういった分析をしつつも、私自身も怖さを感じなかったといえば、それは嘘になるだろう。

 

 ――あるいはぐち子氏は異世界へ行っていたのかもしれない。あのエリアには異世界への入り口があったのかもしれない。そこから漏れでる瘴気に、私は背筋を凍らせていたのかもしれない。

 そう考えれば、私が恐怖を感じた理由も納得できる。

参考文献

鳥取ループ・三品純著 [部落ってどこ? 部落民ってだれ?]